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お役立ちコラム

Ｎｏ．１００　キッチンパネルのウソ・ホント

■「キッチンパネル」って、どんなもの？
キッチンパネルは、シンクやコンロなどのキッチンまわり貼るパネル（板）のことです。もともとはコンロ周りの防火・防汚対策として導入されましたが、現在ではコンロだけでなくシンクまわりを含むキッチンの広い範囲で使われるようになりました。

コンロのまわりは高熱になるし、炎が上がることもあるので、そこに使うことが許されるのは燃えない素材だけです。そのため、従来はタイル張りにされるケースが多かったのです。

これに対し近年開発されたのが、不燃材にフッ素樹脂加工やメラミン樹脂加工を施した素材です。見た目は、光沢のある人工大理石のような趣で、タイル張りに見られる目地がないのも特徴です。目地がないため、大判のプラスチック板をコンロのまわりに貼っているように見えないこともありません。

このほか、熱に強く耐食性に優れたステンレス製や、火に強いアルミ製、さらに、熱や汚れだけではなく傷にも強く光沢があるため高級感のあるホーロー製のキッチンパネルもあります。つまり、タイル以外で、キッチンのコンロまわりに使うことのできるパネル――それがキッチンパネルというわけなのです。

■「キッチンパネル」にはどんな長所があるの？
キッチンパネルは、タイル張りの欠点を解消する目的で開発され、事実、その長所で人気を集めています。その長所とは何でしょうか？――ずばり、油汚れを落としやすいことです。

磁気質のタイルを張った壁の場合でも、タイル表面は汚れを落としやすいです。炒め物をして油が壁に飛び散っても、タイル表面は拭き掃除できれいになります。しかし、問題は目地部分です。目地に飛んだ油汚れは落としにくく、掃除が面倒でした。その手間を軽減させるのが、キッチンパネルというわけなのです。

キッチンパネルは、当初、コンロのまわりだけに使われました。それが徐々に使用範囲を広げ、シンクや作業台のまわりもキッチンパネルにするのが一般的になりました。掃除が楽だから、すべての壁をキッチンパネルで覆ってしまおうというわけなのです。また、キッチンパネルのほうがタイル張りより安上がりであるのも、人気を高めている理由の一つです。

■「キッチンパネル」に短所はないの？
掃除が楽という長所で人気を集めるキッチンパネルですが、短所がないわけではありません。それは、素材によっては傷がつきやすかったり、風情がなくデザイン性が低い、ということです。

例えば、ステンレス製やアルミ製のキッチンパネルは、耐久性に優れている反面傷がつきやすく、光沢が失われることがあります。また、目地がなくスッキリしているということは、単調な壁に見えがちということでもあります。タイルのように豊富な色・柄・貼り方でアクセントをつけにくいことも、短所といえないこともありません。「キッチンをきれいに保てるが、デザイン性にかける」と言う人がいるのも事実なのです。

デザイン性はあるが目地の汚れを落としにくいタイル張りがよいか、デザイン性は低くても掃除が楽なキッチンパネルがよいかは、好みによります。料理を作る人にとっては、キッチンは毎日長い時間いる場所なので、よく考えて決めたいですね。